女性の方へ「マンモグラフィー(乳房X線撮影)」のご案内(第4回)
画像診断センターからの「マンモグラフィー(乳房X線撮影)について」の第4回目です。
マンモグラフィーを受けましょう!(画像診断センターより)
第4回(平成22年12月21日掲載)
近年、日本女性にも急増してきた乳がんは、いまや 20人に1人 発症すると言われています。
乳がんは40代後半から50代前半でピークを迎える比較的若い女性が罹患する病気です。
その数は年々増え続けており、日本の乳がん罹患(りかん)数は 4万人を超えています。
しかし、乳がんは比較的性質の良いがんで、優れた検査法や有効な治療手段も多いため、
早期発見して適切な治療を受ければ、ほぼ完全に治すことができます。
そのためにもぜひ一度マンモグラフィーを受診することをお勧めします。
カテゴリーについて
今回は第3回で紹介した腫瘤、石灰化の詳しい分類について説明します。
もしも、検診で前回紹介したような腫瘤や石灰化が見つかった場合にはどのように判断されるのでしょう?
マンモグラフィーではカテゴリー分類という判断方法にて5段階の評価を行います。
- カテゴリー1 異常なし
- カテゴリー2 良性(明らかに良性と判断できる)
- カテゴリー3 良性、但し悪性が否定できない
- カテゴリー4 悪性の疑い
- カテゴリー5 悪性
このようにカテゴリー1、2と判断がついた場合には「今回の検診では悪性と疑われるものはなかった」と考えてください。ただ、カテゴリー2と判断された場合には、「明らかに良性と判断はできるが、石灰化や腫瘤が存在している」ことを意味しています。ですから、念のため翌年からも定期的に検診を受けることをお勧めします。
カテゴリー3以上がついた場合には数字が大きくなるほど悪性の疑いが強まります。つまり、検診でカテゴリー3以上の判定がついた場合には要精査が必要となります。
カテゴリー3 → 二次検診にて詳しい検査が必要。マンモグラフィーの追加撮影
カテゴリー4 → 精密機関で詳しい検査が必要。追加撮影に加え、細胞や組織をとって良性か悪性かを判断する
カテゴリー5 → 精密機関で詳しい検査が必要。追加撮影に加え、細胞や組織をとって良性か悪性かを判断する
※あくまでマンモグラフィー上の判定ですので、カテゴリー4、5と判断されても良性である場合もあります。
では、ここからは腫瘤と石灰化のそれぞれの分類について詳しく説明したいと思います。
腫瘍のカテゴリー分類
腫瘤は辺縁(縁取っている形)、濃度によって分類されます。
腫瘤には円形、楕円形のもの四角いものクローバーの葉のようにぼこぼこして見えるものなどいろいろな形の
ものが存在します。良性なのか悪性なのかを判断するときに重要なのは上の図のように縁取っている周りが
はっきりしているか、いないか、縁取りがつるっとしているかギザギザしているか、また濃度が濃いか薄いかが
重要になります。
これを表にまとめたのが下の図です。
つまり、形がきれいな円形でまわりの乳腺組織よりも色が薄い場合には良性の可能性が高いと言えます。
このようなときにはカテゴリー3という判定になります。また、形がぼこぼこしていて辺縁がギザギザして見える
ものは悪性の可能性が高くなってきます。そういう場合はカテゴリー4という判定になります。
さらに辺縁が星型に引きつれたように見え、乳腺よりも濃度が高い場合にはカテゴリー5という判定がつきます。
星型に見えても濃度が低い場合にはカテゴリー4という判断がつきます。
石灰化のカテゴリー分類
石灰化には明らかに良性と思われる石灰化があります。
それには以下のようなものがあります。
- 血管の石灰化
- 皮膚の石灰化
- 乳管拡張症に伴う石灰化
- 円形石灰化(大きさが1mm以上)
- 石灰乳石灰化
比較的大きな石灰化は(1mm以上)良性の可能性が高いです。また、単独で存在しているものも良性である
ことがほとんどです。このようなものはカテゴリー1および2という判定になります。
上記以外の石灰化(1mm以下で複数存在している)場合は良性、悪性の判断が必要になります。
それは形状、分布の仕方によって分類されます。
形状と分布からこのように分類されます。
表を見てみると右下に行くほど悪性の可能性が高くなることが分かります。また、微細線状や微細分枝状と呼ば
れる石灰化の形は分布の仕方によらずに悪性度が高いことが分かります。専門的になりますが、領域性と区域
性の違いというのは乳腺の流れに沿っているか沿っていないかです。乳腺は乳頭から放射状に広がっているの
で区域性とは乳腺組織の流れに沿った分布ということになります。実際のところこのような石灰化があった場合、
いろいろな形が混ざっていることが多くあります。そのため1mm以下の石灰化が複数存在していたらカテゴリー
は3以上で要精査になります。
●実際の画像をご覧になりたい方は、こちら→第3回マンモグラフィー(乳房X線撮影)のご案内
以上が腫瘤と石灰化のカテゴリー分類になります。少し専門的なので難しい内容であったかと思いますが、
マンモグラフィーではこのような細かい規定に基づいて分類しているので信頼性が高いことを理解して頂け
たらと思います。
さて、全4回にわたりマンモグラフィーについての説明をさせて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
このページを見て一人でも多くの方にマンモグラフィーに興味を持って頂けたら幸いです。
第1回目でも説明しましたように、女性がかかるガンでは乳ガンが現在一番多いと言われています。それにも
関わらず日本の検診受診率はかなり低いのが現状です。乳ガンは早期発見すれば根治しやすいガンです。
まだ受けたことがないという方は積極的に検診を受けて頂きたいと思います。
当院では
マンモグラフィーの撮影は女性技師が行います。安心して受診してください。
乳腺外来は年度末(1月~3月)にかけて大変混み合います。
現在は比較的混んでいない時期ですので受診されるなら今の時期をおすすめします。
・診療日、予約については→外来診療担当表: 乳腺科のページをご覧下さい。
・料金、結果については各市町村によって異なります。各自治体にお問い合わせ下さい。
過去の記事
- 第1回マンモグラフィー(乳房X線撮影)のご案内 (平成22年6月26日掲載)
- 第2回マンモグラフィー(乳房X線撮影)のご案内 (平成22年8月10日掲載)
- 第3回マンモグラフィー(乳房X線撮影)のご案内 (平成22年10月26日掲載)
