令和4年10月 春秋園だより「ご利用者様のリハビリ作業」について

 リハビリでは、上肢・手指機能の維持・改善、認知機能の活性化等を目的として手工芸を行うことがあります。特に冬が近づくと、毛糸を使った作品作りをされている方がちらほら見られます。

ただ利用者様の中には、昔は趣味でよくやっていたけど、今はちょっと自信がない…と、(棒やかぎ針を使った)編み物は躊躇される方もいます。そんな時にご紹介するのが、毛糸を使った手工芸、リリアンや六角マットです。

 リリアンや六角マットはいくつかの利点があります。まず、枠を使って作業をするので、両手が上手に使えなくても行いやすく、お試しでやってみる手工芸としては導入がしやすいという点です。また、工程がシンプルなため、難易度をその方に合わせて調整することも可能です。さらに、毛糸という材料は、失敗しても修正しやすく、やり直したいと思った時にほどいて何度でも挑戦できます。このようにリリアンや六角マットは、馴染みがあることと、昔と比べずに新しくできること等、バランスが良い活動だと思います。

デイケアの利用者様で、六角マットに挑戦された方がいるのですが、最初は、どこに糸を通して良いのか分からず、つきっきりで次の工程を説明していました。工程を覚えてきても、目をとばしてしまったり、力加減が上手くいかなかったり、試行錯誤は続きます。それでも手工芸の良いところは、少しずつ自分のがんばりが積み重なって形になってくることです。「大変だ」と言っていた利用者様も、完成した作品をみると、「きれいだね」と本当にうれしそうに笑ってくれていました。

 これからも、利用者様の「こんなことがしたい」「興味がある」を大切に、リハビリをしていきたいと思います。

(春秋園リハビリ職員一同)