第78回「認知症と脳卒中を予防する」

2019/12/12

第78回 生活習慣病教室「認知症と脳卒中を予防する」

■日 時:2019年11月27日(水)
     14時半~15時半
■場 所:牛久愛和総合病院
     B館2階 大ホール
■講 師:脳神経外科 部長 新田 雅之 医師



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脳卒中・認知症は寝たきりの最大の原因

寝たきりになる最大要因に脳卒中と認知症が挙げられます。いかにこれらに罹らないかが大切で、自立した生活を送る上での重要なポイントとなります。現在、認知症患者は、500~600万人と推定され、今後どんどん増えると予測されています。生活習慣をしっかり改善して、気をつけていきましょう。

脳卒中とは

脳の血管の病気で、血管が詰まったり破れたりすることで起こります。発症後数時間以内に適切な治療をすれば、後遺症なく回復できるチャンスがありますが、半日遅れるだけでその治療が出来なくなります。おかしいなと思ったら、躊躇わずに病院へ行って下さい。

【脳卒中の種類】

血管が詰まるタイプ...脳梗塞(ラクナ梗塞 / アテローム血栓性脳梗塞 / 心原性脳塞栓)
最大の原因は、血栓です。動脈硬化や生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症)を放置しておくことで血栓ができ、血流が悪くなって発症します。また、心原性脳塞栓は不整脈(主に心房細動)が原因で発症します。

血管が破れるタイプ...くも膜下出血、脳出血 
動脈瘤が破裂して、脳とくも膜の間に血液が流れ出てしまう状態を指します。破裂する主な原因には、高血圧や喫煙、飲酒が挙げられます。


【脳卒中の主な症状】

<脳梗塞、脳出血>

  • 半身(顔、上肢、下肢)の脱力、痺れ

  • 言語障害(ろれつが回らない、失語)

  • 視野障害(物が二重に見える)

  • めまい、ふらつき
  • <くも膜下出血> 

  • 経験したことのない突然の激しい頭痛(後頭部が中心)

  • 意識障害、吐き気・嘔吐を伴う

  •  

    脳卒中と生活習慣

    脳卒中は、運動不足や塩分の摂り過ぎ、飲酒、喫煙、不整脈、メタボリックシンドロームといった、生活習慣が危険因子となって発症します。現に、塩分過多や食べ過ぎ等が原因で起こる高血圧、糖尿病、肥満は発症リスクを高めます。また、運動量の少ない方は脳卒中になりやすいというデータもあります。

    <予防のポイント>

  • 食べ過ぎに注意して、標準体重とバランスの良い食事を意識する

  • 間食をしない

  • 塩分は1日8.0g以下に抑える

  • 1日30分~1時間程早歩きでウォーキングをする
     (少なくとも6~7,000歩、できれば1万歩)
  • さらに、不整脈をもっている方は、もっていない方に比べて脳梗塞になる可能性が5倍も高くなります。健診で心電図を取ればすぐにわかりますが、自身で脈を測ることでも確かめること(リズムよく脈が打っているか)ができますので、やってみて下さい。

    ご自身の生活習慣を見直して頂くために、脳卒中予防の十か条をご紹介します。

      ◇◇脳卒中予防の十か条◇◇
    1. 手始めに 高血圧から 治しましょう
    2. 糖尿病 放っておいたら 悔い残る
    3. 不整脈 見つかり次第 すぐ受診
    4. 予防には たばこを止める 意志を持て
    5. アルコール 控えめは薬 過ぎれば毒
    6. 高すぎる コレステロールも 見逃すな
    7. お食事の 塩分・脂肪 控えめに
    8. 体力に あった運動 続けよう
    9. 万病の 引き金になる 太りすぎ
    10. 脳卒中 起きたらすぐに 病院へ

    認知症について

    脳の働きの低下が原因となって引き起こる様々な症状のことを指し、だんだん脳が委縮して症状が悪化していくアルツハイマー病が代表的です。なってしまったら、完全に治すことはできませんが、適切な治療をすれば、進行を遅らせることはできます。

    【主な症状】
    同じことを繰り返す、食事をしたことを忘れる、日付が分からなくなる、置き忘れや片づけができなくなる等
      
    さらに症状が進行していくと、料理ができなくなる、季節外れの服を着る、入浴を嫌がる、家族のことがわからなくなるといった症状が見られます。
      
    最近物忘れが多くて認知症かしら...と気になっている方もいらっしゃるかと思いますが、そう感じている間は大丈夫です。大事なポイントは、自覚しているかどうかです。認知症の場合は、忘れていることに気がつかず、家族が指摘しても、否定する傾向にあります。自分のせいにしたがらないといった特徴もあります。

    認知症の予防として、生活習慣病を予防することが挙げられます。また、社会と繋がっておくことも大切です。一人でじっと家にいることは認知症になりやすく、特に定年退職をした男性で、何もせず家にいる方は、要注意です。定年後も何かしら仕事をしたり、役割や日課をもつことをお勧めします。加えて、ストレスは認知症を進行させますので、笑いながら生活できる環境があると良いでしょう。

    まとめ

  • 生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満)を治して、運動をしましょう

  • ストレスのない生活

  • 閉じこもりのない生活(できることなら仕事をしましょう)

  • 社会と繋がる生活をしましょう

  • 脳が活性化する趣味を持つ