第75回「脂肪と炭水化物の話」

2019/05/16

第75回 生活習慣病教室「脂肪と炭水化物の話」

■日 時:2019年5月7日(火)
     14時半~15時半
■場 所:牛久愛和総合病院
     B館2階 大ホール
■講 師:循環器内科 診療顧問 阿部 正宏 医師



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日本人の食事摂取基準のポイント

①BMI
健康を維持するために、何をどれだけ食べればよいかを示すエネルギーの指標に、BMIが採用されました。1日のエネルギー摂取量と消費量が等しい時、体重の変化がなく、健康的なBMI値が保たれる最も望ましい状態です。しかし、摂取量が消費量を上回る、カロリーオーバーの状態では、体重は増加し、肥満に繋がります。

死亡率が最も低かったBMIの範囲は、18~49歳で18.5~24.9、50~69歳で20.0~24.9、70歳以上で22.5~27.4という研究結果が報告されています。健康維持の一つの目安にすると良いでしょう。

※BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

②栄養素のバランス
食事の栄養バランスについて、全体を100%とした時、半分以上は炭水化物、残りをたんぱく質と脂質で等分摂ることが望ましいとされています。

戦後間もない頃の食事は、炭水化物が8割を占めており、脂質とたんぱく質は極わずかでした。1965年頃より脂質とたんぱく質の摂取量が増え、平均寿命が延びていきました。

脂肪の種類

コレステロール

  • 脳神経や筋肉の働き、細胞膜やホルモンの生成に不可欠

  • 過剰摂取すると血管の壁に溜まり、動脈硬化を招く為、摂り過ぎには注意が必要

  • 中性脂肪

  • 生体内のエネルギー貯蔵物質

  • 余ったエネルギーは皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられる

  • 体内で生成できない必須脂肪酸を含む(動物性たんぱく質から摂取)

  • 炭水化物とたんぱく質の1gあたりのエネルギー量が4kcalであるのに対し、脂肪は9kcalあります。摂り過ぎたエネルギーは排出されず、飢餓に備えて体脂肪として蓄積されていき、肥満やメタボを招く為、摂り過ぎには注意が必要です。

    脂肪酸の種類

    飽和脂肪酸(乳製品、肉、パーム油)
    過剰摂取:LDLコレステロールが増加、動脈硬化促進
    摂取不足:脳出血のリスク増加

    一価不飽和脂肪酸(オリーブ油、オレイン酸)
    過剰摂取:冠動脈性心疾患のリスク

    多価不飽和脂肪酸 
    ●n-6系脂肪酸(紅花油、コーン油)
    過剰摂取:体内で炎症を引き起こす化学物質に変化
    摂取不足:皮膚炎等の欠乏症

    ●n-3系脂肪酸(オリーブ油、魚脂)
    冠動脈疾患、脳梗塞等の予防効果があり、日常摂取量の範囲では、多く摂取しても有害な作用はなし。魚介類に含まれるEPAはすぐに消費されるので、毎日摂るのが良い。

    トランス脂肪酸(マーガリン、ショートニング)
    食べるプラスチックと呼ばれ、LDLコレステロール増加や冠動脈性心疾患、認知症のリスクを増やす

    身体に良い油とは

    一般論として、不飽和脂肪酸で、植物性が主体のオリーブ油が挙げられます。しかし、高カロリーなので摂り過ぎには注意が必要です。
    また、魚脂(EPAやDHA)は、積極的に色々な魚から摂取すると良いでしょう。

    まとめ

  • 摂取エネルギーの割合:炭水化物50~65%、たんぱく質と脂質17~25%

  • BMIは22.0~25.0が望ましい

  • 脂質も適量必要だが、9kcal/gの為、摂り過ぎには注意