第74回「大腸がんについて」

2019/04/15

第74回 生活習慣病教室「大腸がんについて」

■日 時:2019年3月23日(土)
     14時半~15時半
■場 所:牛久愛和総合病院
     B館2階 大ホール
■講 師:消化器外科 部長 野口 岳春 医師



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大腸がんについて

日本における死因第1位は悪性新生物(がん)で、2位の心疾患の2倍程にあたり、約4人に1人が、がんで亡くなっています。特に大腸がんは、がんの中で最も罹患率が高く、死亡率においては肺がんに次ぐ第2位となっています。

【特徴】

  • 40歳以上で発症する可能性が高く、加齢と共に増加

  • 罹患率は男性の方が女性よりも1.5~2倍高い

  • 発症部位は肛門に近い直腸(40%)、S状結腸(30%)が全体の3分の2を占める

  • 要因は生活習慣の欧米化や運動不足、野菜・果物の摂取不足、肥満、飲酒等
  • 大腸は右下腹部から順に、盲腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸・直腸・肛門...と腹部に円を描くように位置しています。

    症状と検査

    【主な症状】

    <右側結腸癌>

  • 便が泥状である為、症状が出にくい

  • 腹痛、腹部違和感、腹部腫瘤触知等
  • <左側結腸癌>

  • 腸管狭窄症状(下痢、便秘、便狭小化、腹部膨満感、腸閉塞)

  • 肛門に近い場合は下血、粘血便等

  • 【検査方法】

  • 便潜血反応

  • 腫瘍マーカー

  • 直腸診、肛門鏡

  • 注腸検査

  • 下部消化管内視鏡検査

  • CT、MRI検査

  • 腹部超音波検査
  • 確実な方法は内視鏡検査ですが、体への負担が大きく、痛みを伴うことがあります。その為、最も推奨されているのが、簡易的で負担が少ない便潜血反応です。

    便潜血反応は、便の中に血液が混入しているかを調べるもので、大腸がんの約3分の1はこれで発見されています。検査の実施により、大腸がんによる死亡率が60%減少するというデータもあり、40歳以上の方は、年1回実施することをお勧めします。


    治療法

    病状の進行度は下記5段階にわけられますが、治療は基本的に大腸癌治療ガイドラインに沿って行われる為、大まかな治療方針はどこの病院でも大きくはかわりません。手術により腫瘍を取り除く方法が一般的で、進行状況によって、化学療法や放射線療法を行います。

    【進行度分類】
    Stage 0 粘膜内のごく浅い箇所にあり、リンパ節や遠隔転移なし
    StageⅠ 粘膜下層~固有筋層に留まり、リンパ節や遠隔転移なし
    StageⅡ 漿膜下層~漿膜表面に露出するが、リンパ節や遠隔転移なし
    StageⅢ リンパ節への転移が見られるが、遠隔転移なし
    StageⅣ 遠隔転移が見られる

    以前は、開腹手術が主流でしたが、近年は腹腔鏡下手術を行う病院も多くなってきています。前者は腹部を20~30cm切開する為、痛みが強く傷跡も大きく残ってしまいます。一方、後者は術創が小さい為、痛みは少なく傷跡も目立ちません。回復も早く在院期間が短いという利点がありますが、手術時間がやや長い傾向があり、局所進行例・肥満や癒着症例で難易度が高くなります。

    稀に、術後合併症(出血や腸閉塞、感染、血栓等)を起こすことがありますが、発症しなければ、1~2週間で退院できます。切除不能大腸がんでも化学療法を積極的に行う事により長期的な予後も得られるようになってきています。

    まとめ

  • 大腸がんは罹患率、死亡率ともに高い疾患である

  • 便潜血検査で明らかな死亡率減少効果がある

  • 40歳以上は年1回便潜血検査を受けて陽性ならば、大腸検査を受けましょう