第71回「不整脈」

2018/10/16

第71回 生活習慣病教室「不整脈」

■日 時:平成30年9月25日(火)
     14時半~15時半
■場 所:牛久愛和総合病院
     C館1階 からだ情報館
■講 師:循環器科 医長 山﨑 明 医師


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心臓の役割

心臓は、全身に血液を送り出すポンプの役割を担っています。刺激伝導系により筋肉を収縮させ、血液が送り出されます。1分間に60~100回動き、約5ℓの血液を循環させています。酸素と栄養を全身に供給し、生命活動の要となっています。全身の臓器から排出された二酸化炭素と老廃物は心臓に戻され、二酸化炭素は肺で、老廃物は腎臓や肝臓で処理されます。

不整脈とは

正常の心拍は、一定のリズムで規則正しく脈打ち、心房と心室が交互に収縮することで、効率良く血液を送り出します。しかし、不整脈は血流が悪くなったり、刺激伝導系の障害等により、リズムが乱れて不規則に脈打ちます。

<症状>
動悸、息切れ、脈が飛ぶ、脈が乱れる、脈が速くなる、めまい、気を失う、血圧が上がる等     ※症状がでない場合もあります

<検査>
一般的な心電図の他に、ホルター心電図(24時間機器を装着して記録を取る)、エコー検査等があり、心臓の働きが正常か調べます。運動時に出現する場合もある為、心電図をつけながら運動して検査を行う方法もあります。

不整脈の種類

様々な種類がありますが、大きく3つに分けられます。

○脈が飛ぶ(上室期外収縮、心室期外収縮)
期外収縮とは、期待されるタイミングから外れて心臓の収縮が起こる不整脈で、3つの中で最も多く、基本的に治療は何もしません。しかし、連続して見られる場合は、詳しく検査をした方が良いでしょう。
また、心臓病を患っている方は、注意が必要です。心疾患と不整脈を患っている場合、抗不整脈薬のみを使用すると突然死を招き、未使用者と比べて、2.6倍死亡率が高くなる研究結果が出ています。

○脈が遅くなる(洞不全症候群、完全房室ブロック)
心臓の動きが低下することで起こり、めまい、気を失う、息切れといった症状が見られます。脳は多くのエネルギーを必要とし、体の血液の20%が脳に回っている為、脈が遅くなることでエネルギー供給が滞ることが原因です。脈が5秒間ないだけでも、脳は活動を停止し、突然気を失います。歩行中や運転時に起こる可能性もあり、大けがや命に関わる危険な不整脈です。治療法は、脈を速める薬の服用とペースメーカの使用があります。

○脈が速くなる(発作性上室頻拍、心室頻拍、心室細動等)
発作性上室頻脈は脈が通常の2~3倍(140~220/分)速く打ち、数分から数時間、場合によっては1日以上続くこともありますが、命に関わる可能性は低いです。主な症状は、動悸と息切れです。

*脈が速くなった時の止め方*
大きく息を吸い込んで胸の中に溜め、20~30秒息を止める。

放っておくと止まる場合もあり、しばらく様子を見ます。それでも止まらない際は、受診して点滴注射を行います。発作が頻発する場合は、カテーテルアブレーションを行います。

※カテーテルアブレーション
心臓にカテーテルを挿入し、高周波電流を流して焼灼する方法

心室頻拍は、心筋症や心筋梗塞のある方に起こりやすく、命に関わります。飲み薬で治まらない場合、電気ショックを与え、乱れている心拍を1度リセットして、正常に戻します。カテーテルアブレーション、植え込み型除細動器薬物等で治療を行います。

心室細動は、発作を起こした瞬間に意識がなくなります。スポーツ選手が試合中に突然死するのが、これにあたりますが、心筋症等の基礎心疾患が原因となる場合が主です。


心房細動とは

不整脈の一つで、心房が小刻みに震えるだけで収縮が出来ず、脈がバラバラに乱れます。様々な病気の危険因子に挙げられています。約半数は症状が出ません。
また、心房細動がない人と比べ、死亡率が1.5倍高くなる他、以下の危険性があります。

○2倍脳卒中になりやすい
心臓が正常に動いていれば、血液が次々と流れてくるので、血液が固まることはありません。しかし、心房細動になると、心房が動かなくなる為、心臓内の一部(左心耳)で血流が滞り、塊ができます。それが血管に詰まり、脳梗塞や血栓症を引き起こします。その為、脳卒中に2倍罹りやすくなります。ですが、抗凝固薬の服用で発症を6割抑えることが出来ます。

○5倍心不全になりやすい
心房が動かない為、心臓から送り出される血液が2~3割減る、脈が空打ちする、心臓が疲弊し、心不全のリスクが高くなります。

○1.3倍認知症になりやすい
血栓が脳の血管に詰まることが原因と考えられています。

心房細動が見つかった際は、しっかり治療することが重要です。

まとめ

動悸が起こり不整脈かなと思ったら、まず、どういう脈なのか(速くなる、飛ぶ等)を見て、主治医に伝えて下さい。それが分かるだけでも、不整脈の正体が見えてきます。

*方法*
動悸が起きたら、10秒間脈を数えてみる。それを6倍して1分間の脈を割り出す。

これで、脈が速い・遅い・乱れているかがわかります。

不整脈は、生活習慣や持病が大きく影響します。ストレス、睡眠不足、過食、飲酒、喫煙は不整脈を誘発し、メタボ、脂質異常症、糖尿病、高血圧、心臓病は悪化させる原因になります。これらの改善、治療が不整脈の予防に繋がります。