第69回「知っていれば怖くない胆石症」

2018/05/24

第69回 生活習慣病教室「知っていれば怖くない胆石症」

■日 時:平成30年5月16日(水)
     14時半~15時半
■場 所:牛久愛和総合病院
     B館2階大ホール
■講 師:総合外科・消化器外科 医長 藤田 俊広 医師


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胆のうと胆のう結石について

胆のうは、右の上腹(胃の隣)に位置し、肝臓で作られた胆汁を一時的に溜めておく場所です。食事を摂ると、胆のうは溜めた胆汁を送り出して十二指腸に排泄します。この胆汁の成分が澱となり、固まったものが胆のう結石です。

胆石症は、胆のうや胆のうと十二指腸の間にある胆管に石ができる病気の総称で、大きく3つに分けられます。その中で最も多いのが「胆のう結石」なのです。次に多いのが、胆管へ石が落ちてしまった「総胆管結石」、最も少なく難病であるのが肝臓の中に石が溜まる「肝内結石症」です。

どんな人がなりやすいか

一般的に、女性(Female)中年(Forty)肥満(Fatty)欧米人(Fair)に多く、それらの頭文字より4つのFと言われています。

また、今のところはっきりとわかってはいませんが、コレステロールやビリルビンが原因に挙げられており、食事の欧米化に伴って日本での胆石症罹患者が増加しているのではないかと言われています。

これは、胆汁の中に含まれるコレステロールが増え、ビリルビン等とともに結晶化して胆石になると考えられている為です。中には、溶血などが原因の特殊な胆石もあります。

予防として、規則正しい生活をするということが言えますが、残念ながら他の病気と違い、これをすれば胆石ができないといった明確な予防法がありません。

※ビリルビンとは...古くなった赤血球が破壊される際に生成される黄色い色素のこと。血液で肝臓に運ばれ、胆汁の中に捨てられる。


胆石によって生じる問題

胆石があっても9割の方は症状がありません。その為、検診を受けた際に偶然見つかることが圧倒的に多いです。
とはいえ、胆石には3つの徴候があります。
それは、

  • 腹痛
  • 発熱
  • 黄疸

です。
胆のうに石が詰まると圧がかかって腹痛が生じる、そこにばい菌が付いて炎症を起こし熱が出る、胆汁の流れが悪くなり黄疸が見られる、といった具合です。

最も多く見られるのは発熱で、吐き気やむかつき等を伴います。腹痛に関しても、食事をしている際に吐き気等と共に起こります。


胆石症って治療が必要?

端的に言うと、手術するか何もしないかの2択になります。
症状がなければ治療をしなくても問題はありません。しかし、一度でも症状が出た場合は、再発や重症化する可能性が高い為、手術をすることをお勧めします。

超音波治療等もありますが、あまり効果が見られない為、手術が一般的な治療法とされています。
手術は、開腹術と腹腔鏡下内視鏡術がありますが、近年では傷が小さく体への負担が少ない後者が主です。

検査について

検査方法として、腹部エコー検査やMRI、血液検査が挙げられますが、エコー検査によって、ほとんどの胆石は診断をつけることが出来ます。このほかにCT検査も方法としてありますが、胆石を見つけるには、CTよりもMRIの方が優れています。

症状が出ないことが多い病気ですので、定期的に検診を受けるようにしましょう。

胆のうがんとの関係

明確に関係があるとは言えないのが現在の見解です。胆のうがんの人を集めると、多くの人に胆石があります。しかし、胆石のある人が必ずしも胆のうがんになるかというと、そうではありません。なる可能性はあります。

非常に稀な病気ですが、検診や人間ドックにて発見されることが多いため、症状がなくても定期的に検診を受けることが大切です。