NSTについて

2013/05/27

■執筆者:内科医長 大窪 勝一郎
★掲載年月:ふれあいH24年6月号

 栄養はあまりに身近すぎて、あまり考えないかもしれません。
子供の成長発達から、運動や仕事上の活動をするため、また楽しみのため、なくてはならないものです。

今回、テーマを頂いたNST(Nutrition Support Teamの頭文字)ですが、栄養サポートをする多職種のチームのことで、栄養療法の研修を受けた医師、栄養士、看護師、薬剤師、言語聴覚士が中心となって構成されています。
特に低栄養状態の入院患者さんについて、病態に応じて適せつな栄養管理がされているかどうかを、主治医、病棟ナースも含め関係各者とともに、チームとして様々な意見を出し合いながら検討し、栄養改善にむけて努力していきます。

 なぜこのようなチームが必要なのかといえば、低栄養状態があると、免疫状態も低下し、肺炎等の病態が悪化し、改善に時間がかかったり、褥瘡ができやすくなったり、手術後の経過に影響を及ぼし、入院期間が長期化することが分かっているからです。

 入院時にまず栄養状態を検討。経口摂取できるのかどうか、点滴でいくのか、また、腸をつかえるのかどうか、食欲はあるのか、下痢はしているのかなど。週に1回の栄養カンファレンスと定期的な病棟カンファレンスで問題点をあげて対処していきます。

 経口摂取は点滴の場合とくらべてより自然であり、同じカロリーを投与しても、全身状態の改善がされやすい、食べる楽しみが得られる、退院した後の管理がしやすい等の特徴があります。

 ご老人で認知症、脳血管系の病気をされているときは、嚥下能力は低下し食事でむせ肺炎を起こしやすい傾向があります。
また、食べる意欲、好き嫌い、入れ歯があわない場合でも、食事摂取量に影響を及ぼしますし、場合によっては、それだけでむせから肺炎を起こす可能性もあります。

経口摂取自体をやめてしまうと、食べる機能が低下していき、食べさせる訓練が必要になります。
そういった場合、言語聴覚士が、嚥下機能を確認しながら、嚥下訓練食を開始。場合によっては、歯科口腔外科、耳鼻咽喉科の医師と相談して、嚥下内視鏡や嚥下造影検査を行います。

 嚥下は、入れ歯や嚥下機能の問題のみならず、口腔内のケアも当然必要になります。ケアをしっかりすることで、口腔内を清潔にするのみならず、口腔内のマッサージをすることで、嚥下機能も改善していきます。
経口摂取量が少ない場合、栄養補助食品を追加することがあります。

 栄養補助食品も以前とくらべ味も多彩になっており、プレーン、いちご味、コーヒー味、あずき味、バナナ味、コーンスープ味、トーフ味などあります。

 経口ができない場合、できるだけ腸を使いたいため、経管栄養を選択します。
経鼻経管栄養が長期にわたる場合は、胃瘻造設も検討します。経管栄養では、身長、体重、年齢、性別、病態を念頭におき、総カロリー、必要蛋白量、脂質など設定し、それに見合った内容の栄養剤を投与します。

 投与後、当然栄養状態の観察とともに、下痢はしていないかなどの検討もします。
 点滴については、当然主治医が決定するものですが、カロリーのみならず、水分量、電解質、血糖の相談もうけます。退院時には、入院中の栄養管理をもとに栄養指導をすることもあります。担当者会議でケアマネージャーをふくめ、栄養の相談をすることもあります。

以上のようにNSTは、入院時から退院に至るまで一人の患者さんにチーム一丸となって関わっていきますので、気軽に相談してください。

牛久愛和総合病院 NST委員会の活動について