第66回「誤嚥性肺炎予防について」

2017/11/30

第66回 生活習慣病教室「誤嚥性肺炎予防について」

■日 時:平成29年11月17日(金)
     14時半~15時半
■場 所:牛久愛和総合病院
     B館2階大ホール
■講 師:認定看護師 橋本 由美


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誤嚥性肺炎とは

誤嚥(ごえん)とは、通常食道から胃へと送られる食物や唾液が、誤って空気の通り道である気管や肺に入ってしまうことです。誤嚥した際に、口の中にいた細菌や食べ物についている細菌も一緒に肺に流れ込み、肺の中で増殖して炎症を起こすことを、「誤嚥性肺炎」と言います。

がんや心疾患に次いで、肺炎が日本人の死因第3位となっています。
中でも、誤嚥性肺炎は加齢と共に罹患率があがり、60代の肺炎患者の50%、70代では70%程を占めます。

なぜ誤嚥性肺炎が起こるのか

【要因】

  • 口腔内の細菌(ばい菌)の増加
  • 免疫力の低下(ばい菌と戦う力の低下)
  • 誤嚥(咽頭部で食べ物の通る道と空気が通る道が交差しており、体の構造上、誤嚥しやすい)
  • 喀出力の低下

【主な症状】
発熱、咳、痰、呼吸困難、胸痛

高齢者は主症状が出にくく、なんとなく元気がない、1日中ぼーっとしている、食事に時間がかかる、むせるようになる、食欲がない、喉が常にごろごろしているといった症状が先に出てくることがあります。

これらの症状が見られた際には、既に症状が進んでしまっている場合があります。いつもと違うなと思うことがありましたら、早めに受診をして下さい。

なぜ誤嚥性肺炎は加齢と共に増えるのか

<筋力の低下>
ごっくんと飲み込んだ時に動く喉仏の位置が下がる、嚥下関連筋の筋力低下

<知覚の低下>
飲み込む反射が遅れる、咳の反射が減る

<口腔内の変化>
唾液の出る量が減少、歯の喪失、噛む力の変化

<呼吸の変化>
飲み込んだ後の呼吸の変化

予防方法

○口腔内細菌を最小限にする

  • 歯と歯の間や歯と歯肉の境目等に注意しながら、しっかりと歯磨きをして、口腔内を清潔に保ちましょう
  • 入れ歯の方も、義歯をブラッシングしましょう

○免疫力低下を予防

  • 規則正しい生活
  • 肉や魚、卵や大豆などの良質なたんぱく質を摂る
  • 食べる力を高める(顎を鍛える)
  • 食事があまり摂れないときには栄養補助食品を検討

○誤嚥を予防する

  • 飲み込む筋肉をリラックスさせたり、飲み込む力を鍛える
  • (手をグーパーさせる、首回し、足踏み、肩たたき、舌で頬を押す等)
  • よく噛んでゆっくり食べる
  • きちんと座って食べ、食後すぐ横にならない
  • ながら食事をしない(新聞やテレビを見ながら食事をしない)
  • 口の中にある物を飲み込んでから次の食べ物へ

○吐き出す力を高める

  • 笑う、話す、深呼吸、咳払い、歌を歌うといった、何気ない日常の行動が吐き出す力を高めてくれる

まとめ

ものを飲み込む動きは、全身の筋肉を使います。その為、日常生活の中にも食べる機能を鍛える要素が沢山あります。
笑うこと、話すこと、歯を磨くこと、歌を歌うこと、座ること、立つこと、歩くこと等、手軽に出来ます。無理なく継続して、誤嚥性肺炎を予防しましょう。