第60回「肩の痛みについて」

2016/11/28

第60回 生活習慣病教室 「肩の痛みについて」

■日 時:平成28年11月9日(水)
     14時半~15時半
■場 所:牛久愛和総合病院
     B館2階大ホール
■講 師:整形外科 医長 田中 雄也 医師


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肩の疾患

主な疾患として、肩こり、四十肩・五十肩、変形、断裂があります。よく耳にする肩こりは、日本独自のもので、海外では「首の痛み」とされています。これは、首・肩・肩甲骨周りの動きが低下することで、首から肩にかけて痛みが出たり重く感じたりします。その為、肩の疾患とは別のものと考えられているのです。
また、これらは連動しており、リハビリにおいて積極的に動かすことがとても大事になります。今回は、一般的な5つの疾患について紹介します。


インピンジメント症候群

肩関節の骨頭と関節窩(受け皿)のバランスが崩れたり、肩を動かす時に、腱板や骨と筋肉の間にある滑液包と呼ばれる袋が肩関節で衝突したり挟まることで痛みが生じる疾患です。

<症状>
動きの低下・ひっかかり
<原因>
不明
<治療>
①注射で炎症をとる
②痛みがなくなったら、リハビリを行う

四十肩・五十肩

名前の由来は、40~50代の方でなる人が多い為とされており、正式には「肩関節周囲炎」と言います。加齢に伴い、肩の関節や筋肉、周辺組織が固くなる等の変化によって、炎症や痛みが出て動きが悪くなる疾患です。

<症状>
肩から腕にかけての強い痛み・動きの低下
<原因>
外傷・運動不足
<治療>
①炎症期(夜間痛や安静痛がある)...注射や飲み薬で痛みを和らげる
②拘縮期(痛みは治まるが、しっかり肩が動かない)...安静にする
③回復期(徐々に肩が動くようになる)...リハビリを行う

※リハビリをしても動かない人や、肩が90度も上がらない場合は、手術を行うこともあります。

石灰沈着性腱板炎

肩の腱板に石灰(カルシウム)の塊が出来てしまう疾患です。

<症状>
強い痛み・引っかかり
<原因>
はっきりしていないが、40~50代に多く見られる
<治療>
四十肩と同様に、始めは注射や飲み薬で対応し、痛みが引いた後、リハビリを行う。症状がない場合は、何もせず様子を見ても構わない。また、溜まっている石灰が柔らかい場合、注射で抜ける場合もあるが、残っていても心配はない。何度も痛みを繰り返したり、引っかかりが取れない際は、手術を行うこともある。

腱板断裂

肩の腱板が断裂する疾患で、眠れない程の痛みが起こることがあります。X線では写らない為、検査は、MRI、超音波を行います。

<症状>
強い痛み・引っかかり・力が入らない
<原因>
多くが加齢によるもので、60代以上に多く見られる・外傷
<治療>
他同様、注射・飲み薬とリハビリを行う。リハビリを行っても筋力が戻ってこない場合、手術を検討する。しかし、大半はリハビリで症状が治まり、手術を行うのはごく一部である。症状がなければ、そのまま経過をみて良い。

腱板断裂性肩関節症

非常に大きな腱板断裂で、変形性関節症を併発したものです。

<症状>
手があがらない、疼痛
<原因>
加齢
<治療>
断裂した腱をもとに戻すことは困難である為、まずリハビリ、症状が強い場合は、手術で人工関節を入れる。

変形性肩関節症

関節を使い続けることで、どんどん軟骨が擦り減り、関節が変形してしまう疾患です。

<症状>
痛み・動かすとごりごり音が鳴る・肩があがらなくなる
<原因>
加齢・外傷・骨折後の関節痛
<治療>
痛み止め・リハビリ→無効なら手術

まとめ

肩の疾患において、肩甲骨から背骨の動きが非常に大事であり、これらの動きが良いと症状が出ないことも多いです。
また、肩こりの人は、肩甲骨周りが固まってしまっていることが多く見受けられます。柔軟性があると体は負担に強くなりますので、積極的にストレッチ等の運動を心掛けましょう!