第58回「脳外科医からみた認知症状」

2016/08/09

第58回 生活習慣病教室 「脳外科医からみた認知症状」

■日 時:平成28年7月22日(金)
     14時半~15時半

■場 所:牛久愛和総合病院
     B館2階大ホール

■講 師:脳神経外科 部長 竹下 幹彦 医師

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認知症の定義

「認知症」とは、よく耳にするアルツハイマーや血管性認知症等の総称を指します。また、「脳や身体の疾患を原因として記憶・判断力などの障害が起こり、普通の社会生活が営めなくなった状態」と定められています。

認知症は男性よりも女性に多く見られ、特に60~70代に最も進行しやすいといわれており、65歳以上の6人に1人の割合で起こる病気です。

治療法について

現状では、残念ながら根本的な治療法はありません。現在使用されている薬剤は、認知症を改善するものではなく、進行を遅らせることが限度であり、まだまだ開発段階なのです。他の病気と異なり、加齢によって誰にでも起こりうる病気である為、生活習慣(食事や飲酒等)を改めても症状の改善はあまり見込めないのです。

また、薬剤を使わない方法もあります。それは、出来ることは全て本人にやらせるということです。何でもかんでも手助けをするのではなく、まずは本人に任せるようにしましょう。さらに、ペットを飼ったり、家族以外の人と交流をする、絵画や陶芸等を楽しむといったことも挙げられます。そうすることで脳が活性化され、症状の進行を遅らせることが期待できます。

そして、定年後も若い方と一緒に仕事やボランティアをされている方は、そうでない方よりも記憶障害になりにくく、頭を使うことが認知症予防に繋がるとされています。

治療可能な認知症

先に根本的な治療法はないと述べましたが、治療が可能な認知症もあります。それは、脳梗塞や脳腫瘍、甲状腺機能低下、慢性硬膜下血腫、特発性正常圧水頭症などの病気が要因で起こる認知症です。これらにおいては、要因である病気を治療することで認知症の症状が軽減することがあります。慢性硬膜下血腫や水頭症の場合は、手術による治療が可能です。

認知症の判定

問診や簡単な認知機能テスト、MRI、CT等、複数の検査を実施し、結果を総合的に判断して、判定がなされます。しかし、その時々で状態が変わる為、専門家でも判断が難しいとされています。

家族や周りの方で気になる症状が見られた際は、一度受診を勧めてみてはいかがでしょうか。早期発見することで、ご本人が少しでも長くその人らしく暮らせ、介護する側の負担の軽減にも繋がります。