第50回「禁煙による健康障害の防止」

2015/04/13

第50回 生活習慣病教室 「禁煙による健康障害の防止」

■日 時:平成27年3月25日(水)
     14時半~15時半

■場 所:牛久愛和総合病院
     B館2階大ホール

■講 師:総合健診センター  太田 義章 医師
         

喫煙による健康障害について

煙草の煙には4000種類以上の化学物質と250種類以上の発がん性物質が含まれています。その為、喫煙は多くの疾患の発生要因になります。直接煙にさらされる肺や口腔の疾患(肺がんや口腔・咽頭がん)だけでなく、煙草を吸うことで動脈硬化が起こって血管が詰まり、心筋梗塞や脳卒中等も引き起こします。

また、煙草を吸っているとメタボリックシンドロームになるリスクが高くなります。非喫煙者と比較すると、10本以下で1.37倍、20~39本で3.04倍にもなります。このように喫煙により様々なリスクが高くなりますが、禁煙をすることでこれらの割合を低下させ、長期間続けることで非喫煙者と同じレベルまで下げることも出来ます。

受動喫煙の問題

受動喫煙とは、煙草を吸わない人が喫煙者の煙草の煙を吸い込んでしまうことを言います。この煙には喫煙者本人が口から直接吸い込む煙よりも高い濃度の有害物質を含んでいます。その為、妊婦が受動喫煙をすると胎児の発育に悪影響を与えてしまいます。

  • 早産、流産
  • 乳幼児突然死症候群
  • 新生児の低体重化
  • さらに、子供が受動喫煙することでも多くの影響を与えます。
    中耳炎、気管支炎喘息、肺炎の誘発
  • 慢性の呼吸器症状
  • 肺機能の低下
  • 小児がん
    両親が喫煙する子供と喫煙しない子供を比較すると、リスクは10倍にまで上がってしまいます。

ニコチン依存症とは

ニコチン依存症は、煙草をやめたくてもやめられなくなってしまった状態を言います。煙草を吸うと、快感を生じさせるドパミンという物質が脳内で放出されます。それらが放出されたことで快感を得て、「また煙草を吸いたい」という欲求が生まれます。そして、また1本吸い再び快感を得る。この繰り返しで結果やめられない状態に陥ってしまう...これがニコチン依存症の実態です。本数を少しずつ減らすことから禁煙を始める方が多いですが、それよりも、まずすっぱりとやめることが禁煙成功への近道なのです。

禁煙で得られるメリット

禁煙をすると短期間で様々なメリットが得られます。また禁煙を継続することで、メリットの効果も長期に渡って持続し、より高い効果が得られます。

<健康面>

  • 数時間で血液中の一酸化炭素濃度が非喫煙者と同じレベルまで低下する
  • 咳・痰・喘鳴の改善
  • 心臓病のリスクが低下
  • 肺がんのリスクが喫煙を続けている人よりも70%低下
  • 口腔癌になるリスクが非喫煙者と同じレベルまで低下
  • COPD(慢性閉塞性肺疾患)患者の肺機能が改善

 ※COPDとは別名煙草病とも呼ばれ、慢性気管支炎や肺気腫の総称。
主な症状は、咳や痰が頻繁に出る、少しの動作で息切れがする、喘鳴。

<金銭面>

  • 3カ月で約4万円、1年で約16万円、15年で約230万円の貯金が出来る
(自分へのご褒美として、貯まったお金で旅行や車を買うのも良いでしょう)

<食事面>

  • 味覚や嗅覚が鋭敏になり、食べ物をおいしく感じるようになる

禁煙治療について

2006年より、一定条件を満たせば健康保険等で禁煙治療が受けられるようになりました。

<基準>

  • ニコチン依存症を判定するテスト
  • (1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上
  • ただちに禁煙を始めたいと思っている
  • 医師から受けた禁煙治療の説明に同意する(誓約書)

<治療期間>

  • 3カ月 計5回の診察が必要

<費用>

  • 健康保険で治療した場合、3カ月で1万3000~2万円(薬代診察代含む)
※使用する薬によって金額が異なる

<禁煙治療に使う薬>

現在、禁煙治療の薬は3種類あります。

  • ニコチンを含まない飲み薬→医師により処方され、保険適用
  • ニコチンパッチ→医療用のニコチンパッチは保険適用
  • ニコチンガム
※ニコチンガムと一部のニコチンパッチは薬局・薬店で購入する一般用医薬品で保険適用外

禁煙するにあたって大切なこと

禁煙を継続していくためには... 

  • 1本くらい大丈夫...と思わないよう肝に銘ずる
  • 禁煙の理由や禁煙中の努力を思い出す
  • 周りの人に禁煙を勧める
  • 万が一、吸ってしまっても、またすぐに禁煙する

煙草を吸いたくなったら... 

  • 朝の行動順序を変える
  • 昼食はいつもと違う場所で摂る
  • 食後早めに席を立つ・煙草の煙や喫煙者に近づかない
  • 煙草を買える場所に近づかない
  • 煙草を吸う代わりに他のことをする(深呼吸、氷を食べる、体を動かす)

禁煙すると体重が増加しますが、急なダイエットは禁物です。禁煙が安定してから始めるようにしましょう。

当院でも禁煙治療を開始する為に、現在準備を行っております。
それに伴い、4/1~敷地内全面禁煙になります。

禁煙に遅すぎることはありません。
これを機に禁煙を始めてはいかがでしょうか。