第49回「高血圧にご用心」

2015/03/02

第49回 生活習慣病教室 「高血圧にご用心」

■日 時:平成27年1月29日(木)
     14時半~15時半
■場 所:牛久愛和総合病院
     B館2階大ホール
■講 師:循環器科・医長  飯野 均 医師
     

高血圧とは

高血圧は、主に血管の老化(動脈硬化)により血管が細くなったり、弾力がなくなることが原因で起こります。血管の老化が進行することで血管が固くなる→血液が流れにくくなる→流れにくいところに血液を送る為に、心臓はもっと強い力で働かなければならない→血圧が上がる...といった状態です。
血管の老化は加齢と共に進行する為、70歳を超えると8割前後の方が高血圧を持っています。また、高血圧は最も多い生活習慣病で、日本の高血圧人口は4千万人にのぼります。血圧の高い状態が続くと脳や心臓、腎臓等の血管を傷め、脳卒中や脳梗塞、心筋梗塞、腎硬化症といった重大な障害を起こす可能性がありますので、早めに治療を行いましょう!

血圧の変動

血圧には、

収縮期血圧(上の数値)...心臓が収縮して全身に血液を送り出す状態

拡張期血圧(下の数値)...心臓に血液が戻って来て心臓が膨らんでいる状態

があります。
通常、起床すると徐々に上昇して日中高くなり、夜になると次第に低くなります。しかし、高血圧の方は、夜寝ているときに上がってしまう、夜間あまり下がらない、下がり過ぎてしまうといった変動が見られます。また、加齢に伴い動脈硬化が進行すると収縮期血圧は上がり、拡張期血圧は下がる傾向にあります。

血圧の測り方

血圧には、家庭で測る「家庭血圧」、病院で測る「診察室血圧」と呼ばれるものがあります。医師の前で測ると高くなってしまったり、病院より自宅で測ると高くなってしまったり...と環境等によって多少数値が変わることがあります。その為、近年「家庭血圧」を優先し、診断や治療の目安にしています。

 <測定のポイント>
 ・朝晩各2回ずつ測定し、それぞれ平均値を出す
 ・朝は起きて1時間以内、夜は就寝前に測る
 ・入浴直後は避ける
 ・食前かつ薬服用前
 ・排尿後に行う
 ・心臓と血圧計を同じ高さにする

高血圧の診断基準

日本高血圧学会は2014年に高血圧の診断基準を 140/90 以上と定めました。世界でもこの値を採用しており、どちらか一方の数値でも超えていると高血圧ということになります。これは診察室血圧の値で、家庭血圧の場合はそれぞれ5低い、135/85 以上が基準値となります。

高血圧の予防及び治療

基本は、食事療法と運動療法にて生活習慣を改善することが大切です。塩分の摂り過ぎや肥満によっても血圧が上がってしまう為、それを是正するのに食事療法はとても重要なのです。これらを続けても効果が不十分な場合、薬物療法を追加します。

1.食事のポイント

  • 塩分の多い食事を減らす(塩分摂取量1日6g未満)
  • カリウムや食物繊維の多い食品を摂る(腎臓が元気な場合のみ)
    →カリウムを摂ると入れ替わりでナトリウム(塩)が体外へ排出される
  • 適正な体重を維持する(BMIを25以下にする/ 標準は22)
    →BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
  • カロリーを適正に摂る
<塩分の多い食べ物>
加工食品(漬物、干物、練り物、佃煮)
調味料(醤油、ソース、コンソメ)
※醤油は大さじ1杯で塩分約2.7g、ソースは約1.6g
味噌汁、スープ→1日1杯まで ※1杯で塩分約2g
うどん、そば、ラーメン、即席麺→1日1杯までで汁は飲まない
<カリウムの多い食べ物>
生野菜、果物、魚(特に青魚)


2.運動のポイント

  • 1回20~60分(180分/週 以上)
  • 週3回以上

週末にまとめて運動するとかえって疲労が蓄積し、好ましくありません。ウォーキングでも構いませんので、定期的に行うことを心掛けましょう。

3.お酒について

アルコールは体がリラックスする為、適量であれば良い効果が見られます。しかし、習慣的に飲みすぎるとかえって血圧を上げてしまうので、注意が必要です。

<摂取目安>
男性 1日30cc
(ビール/中ビン1本、ワイン/グラス2杯弱、日本酒/1合、ウィスキー/ダブル1杯)
女性はこの半分の量が目安となります。

4.タバコについて

喫煙は、血管が収縮する為、血圧に対して悪影響を与えます。さらに、心筋梗塞や狭心症、がん、肺気腫、胃潰瘍、十二指腸潰瘍を発症しやすいので、止めるに越したことはありません。